四日市市の中心市街地、諏訪公園の一角にレンガ造りの建物が建っています。かつて図書館だったこの場所は、今は誰でも無料で立ち寄れる交流施設「すわ公園交流館」として使われています。
館長を務めるのは相場浩二さん。イベントの企画から地域の調整まで幅広く手がける相場さんを突き動かしているのは、この街が今とはまるで違う姿だった頃の記憶でした。
相場さんに、これまでの歩みと四日市への思いを聞きました。
| 相場浩二/すわ公園交流館 館長 三重県桑名市出身。地元の祭りの実行委員会などを通じて商店街や地域との関係を築き、2018年10月にすわ公園交流館の館長に着任。施設の運営とあわせて、地域のイベントやまちづくりにも幅広く関わっている。 |
バブル期の四日市は活気があった
僕が知っている頃の四日市の中心市街地は、今とはまったく違う姿でした。特に、すわ公園交流館がある近鉄四日市駅の周辺は、本当に賑わっていました。
商店街で今マンションが建っているあたりにはジャスコがあって、その周りにはファッションビルが立ち並んでいました。映画館も2つあって、飲食店の方がずっと少なかったです。とにかくオシャレな街でした。
それがバブルの崩壊とともに、店が次々と閉まっていきました。しばらくは本当に何もない時期が続いて、そこから少しずつ飲食店が増えていき、今のような飲み屋街になっていったんです。
あの頃のにぎわいを、僕は肌で知っています。だからこそ、もう一度この街に人の流れをつくりたい。その思いが、今の活動の根っこにあります。
人とのつながりから生まれた館長への道
僕は昔から、気になることがあればすぐに行動するタイプです。
その性分のまま、四日市では地元の祭りの実行委員会に長年携わってきました。家がこの近くだったこともあって、商店街の人たちとは祭りを通じてずっと顔なじみです。もう30年以上の付き合いになります。

すわ公園交流館にも、館長になる前から一般市民として出入りしていました。
自分で企画したイベントをこの施設で開かせてもらい、会場や機材を借りたこともあります。そうやって、四日市の街の中でいろいろなことをやっていました。
すわ公園交流館で恒例の人気イベントも

すわ公園交流館で定期的に開いている「四日市まちなか寄席」は、偶然のご縁からつながった催しです。
きっかけは、ラジオとテレビの生放送からの帰り道でした。信号が赤だったので反対側の道を渡ったところ、近くの店先でたまたま落語をやっているのを見かけたんです。「これ、うちでもできるんちゃう?」と思って、その場で声をかけました。
ところが、そのすぐ後にコロナ禍になってしまい、3年ほど何もできませんでした。いざ再開しようと思ったときには、連絡先がどこにも残っていない。それで近所の知り合いを頼って電話番号を教えてもらい、改めてお願いしたんです。

今ではすっかり定着して、立ち見が出るほどの人気になりました。
まずは気軽に利用してもらいたい

「トイレだけでも利用しに来てください」これが僕の口癖です。
真夏の暑い時期には、ちょっとした休憩にもぜひ使ってほしいと思います。
この建物はレンガ造りで、見た目が特徴的です。ただその分、外から見ただけでは何の建物なのか分からないという方が多いです。喫茶店かと思って覗いてみたら何もなかった、という声を聞くこともあります。

実際には、誰でも無料で使える場所です。ノートパソコンを持ち込んで作業をしたり、お食事もできます。街のど真ん中に、そういう場所があるということを知ってもらいたい。音楽や落語などのイベントを企画しているのは、そのためでもあります。
公園が変わる先に、見たい景色がある

諏訪公園はこれから改修が進み、常設のステージができる予定です。
そうなれば、昼は子どもたちがダンスを練習する場所になり、夜はイルミネーションの中で大人がくつろげる場所になる。昼と夜とで違う顔を持つ公園になるはずです。
すわ公園交流館をもっとみんなに知ってもらって、ここを起点に四日市全体で人の流れが広がっていけばいいなと思っています。