2026.08.03

日本一マッチョが多い介護の会社!障害者グループホームNOIE YOKKAICHI

株式会社ビジョナリー

2026年8月1日、四日市市に障害者グループホーム『NOIE YOKKAICHI』がオープンしました。運営するのは「日本一マッチョが多い介護の会社」として全国から注目を集める株式会社ビジョナリー。

開所前の内覧会にお邪魔し、広報の水野さん、地域連携本部の増原さん、「NOIE YOKKAICHI」スタッフの南里さんに話を伺いました。

編集長

施設の主役はマッチョ介護士だけではありません!
今回は、その魅力を余すことなく紹介していきます!

施設名NOIE YOKKAICHI(ノイエ ヨッカイチ)
所在地三重県四日市市楠町北五味塚387-1
定員1日20名
主な対象知的障害・精神障害・身体障害のある方

株式会社ビジョナリーの成り立ち

「日本一マッチョが多い介護の会社」という呼び名は、一見すると話題作りのようにも見えるかもしれません……

しかし、その成り立ちをたどると、介護業界の切実な事情に行き当たります。

受け入れ先のない人々との出会い

株式会社ビジョナリーの始まりは訪問介護でした。丹羽社長ご自身も現場上がりで、3〜4人の体制から形にしてきた会社です。

現場で目の当たりにしたのは、重い障害のある方を親御さんが自宅で介護し続けているのに、受け入れ先がないという実情でした。その一件が、障害者グループホームを立ち上げるきっかけになったといいます。

参照:株式会社ビジョナリー「経営メンバーのご紹介」

業界の外から人を採るという発想

事業が軌道に乗り、受け入れ先を増やすほど必要になるのは人でした。その背景にあるのは人材不足、とりわけ男性の採用の難しさです。強度行動障害のある方の支援では、体格の大きな方に対応する場面もあります。

「実際に僕より身体が大きい利用者さんもいます。一方で、業界で働くのは女性の割合が高いのが現状です。」(増原さん)
「人手不足でも、業界の中で人を取り合っていては意味がないんです。」(増原さん)

紹介会社を通じて採用してはまた辞め、また採る。その繰り返しになる。ならば業界の外から若い男性を採れないか?社長自身のトレーニング経験から、マッチョとなら相性がいいのではないかという発想が生まれたそうです。

編集長

取り組みを始める前の採用は年に数人程度でしたが、今では400人を超える従業員が働く企業に成長しています!

介護のイメージを変える取り組み 

増原さん

株式会社ビジョナリーは、世間に持たれがちな介護業界のネガティブなイメージを払拭すべく、マッチョ介護に代表されるような介護らしくないと思われる取り組みもあえて行っています。 

フィットネス実業団「7SeaS」の存在

出典:株式会社ビジョナリー「7SeaS」

マッチョ介護の取り組みの中心にあるのが、社内の実業団「7SeaS」です。増原さんいわく、社会人野球のボディビル版のようなものだといいます。

実業団7SeaSの仕組み

  •  勤務6時間とトレーニング2時間で1日8時間
  • 大会への出場は出勤扱い、遠征費は会社が負担
  • 現在のメンバーは7名、その下に練習生の制度がある

「会社に長くいるから昇進する、という世界ではありません。評価されるのは大会の成績と勤務態度で、年齢やキャリアは関係ない。仕事なので手は抜けないし、もちろん結果も求められます。」(増原さん)

選手は全員、訪問介護や放課後等デイサービス、グループホームの現場を持っています。増原さんの担当は、地域連携本部です。

「福祉施設は地域があってのもの。障害者施設が隣にできるとなると、どうしても関係がこじれやすい。そこをつなぎ止めるのが自分の役割です。」(増原さん)

編集長

増原さんが取材中に繰り返したのは、以下のような一緒に働く仲間への感謝と思いやりの言葉でした!

「マッチョはあくまでも、活動を知ってもらうきっかけに過ぎません。それよりも、他で受け入れが難しいとされる方をしっかり受け入れているという状況を伝えたい。現場の人たちがきちんと回してくれているからこそ、僕らは6時間で仕事を任せてもらえるんです。」(増原さん)

介護っぽくない空間とウェア

案内された共用スペースは、福祉施設というより新築の住宅に近く、壁の手すりと多目的トイレのサインで、ようやく用途がわかります。

スタッフのウェアもゆったりサイズの黒で統一され、とてもおしゃれです。

この介護っぽくない感じは意識して作っているそうで、少しでも身近に感じてほしいという意図があるそうです。

NOIE YOKKAICHIは一人ひとりに合わせてつくる

ここからは施設の中身についてのお話です。

編集長

特に大切にされているのは、支援の形を利用者に合わせて創るという考え方でした!

障害は人ではなく環境にある

その考えの根底にあるのは「障害は人にあるのではなく、環境にある」という共通理念です。

「例えば、車椅子の方にとっての障害は、お店にスロープがないことですよね。」(水野さん)

知的障害や自閉スペクトラム症の方も同様です。
・大きな音が気になる
・決まったスケジュールがずれるのが気になる
そうした環境側の要因を一つひとつ取り除いていけば生活しやすくなり、その人が本来持っているものが見えてくるそうです。

居室の壁に用意された6枚のシート

NOIE YOKKAICHIでは、強度行動障害のある方など、他の施設では受け入れが難しいとされる方も積極的に受け入れます

特性は一人ひとり違い、同じ伝え方が誰にでも通じるわけではありません。合わせるのは道具の側です。

居室の壁にはラミネートされたシートが掲示されています。起床や入浴の時刻を書き込む時計、歯みがきや手洗いの絵カード、1日のスケジュール表など、コミュニケーションを少しでも円滑に行うための工夫のひとつです。

また、施設での暮らし方も配慮されています。共用のリビングはありますが、一緒に過ごせる方は食事やテレビの時間を共にし、そうでない方はそれぞれの部屋で過ごす。食事や入浴も、必要な分だけスタッフが支援するスタイルです。

現場で働く介護スタッフの声

実際の職場環境のお話を聞かせてくれたのは、「NOIE YOKKAICHI」 で働く女性介護スタッフの南里さん。

事前に医師から届く情報だけでは、利用者さんの細かい特性までは把握するのは困難です。例えば「こうしてください」という一言が命令に聞こえてしまう方もいれば、「お腹が痛い」という症状を自分で言葉にできない方もいるそうです。

スタッフの側から現場で接してみて、必要な情報を蓄積していくことが大事とのこと。

「とことん向き合い続けるしかありません。こちらが諦めてしまうとそこで関係が終わってしまう。真っ直ぐに接し続ければ、相手も心を開いてくれることがあるんですよ。」(南里さん)

・いたずらの多かった方が自分にだけ助けを求めてきたとき
・なかなか笑わない方が、ふと笑ったとき
そうした瞬間が嬉しいのだと話してくれました。

編集長

ときには、利用者さんとの関わりが10年に及ぶこともあるそうです!

広報の水野さんが教えてくれたのは、同社が最初に開いたグループホームでの話でした。入居してすぐ、その方はホームの壁を壊してしまったそうです。一緒に生活する人数が多すぎるのではないかと考え、より小規模な施設を用意して関わり続けました。

10年程かけて、その方は施設の中で最も落ち着いて過ごせるようになり、今では一緒にキャンプにも行けます。連れ出すこともできなかった親御さんが、安心して預けられるようになりました。

四日市から広がる次の支援のかたち

株式会社ビジョナリーは行動援護の事業も展開予定です。行動上の困難が大きい方に、1対1で外出を支援するサービスです。

「ご家族だけでは外に出られなかったという方がいます。専門性がないと、電車の中でパニックになったときにスタッフが対応しきれない。だからこそ、専門のサービスとしてやる意味があります。」(水野さん)

社長のテレビ出演以降は海外からの問い合わせも増え、男性介護士の不足という共通の課題を背景に、将来的にはアメリカなどへの展開も視野に入れているといいます。

一方で増原さんは、地域ともしっかりと関わっていきたいという想いも強く掲げていました。

四日市に新しくできるのは、施設という箱だけではありません。他では受け入れが難しいとされた方を引き受け、長い年月をかけて関係を築いていく。その姿勢そのものが、この街に加わります。

会社概要

社名株式会社ビジョナリー
設立2008年5月21日
打評者丹羽悠介
本社愛知県名古屋市中村区竹橋町37-3
公式サイトhttps://visionary.day

筆者:kanri_raku-yoka_sys

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