湯の山温泉は、日帰りでも気軽に行きやすい人気の温泉地ですが、せっかく行くのであれば、短時間でできそうなレジャーや近隣の自然も満喫したいもの。

そんな人にぴったりなのが、湯の山温泉からほど近い御在所岳の観光や登山で、時間を短縮して楽しめる「御在所ロープウエイ」です。

上手に活用すれば、時間に限りがある場合でも、御在所岳の大自然から山麓の温泉まで満喫できるでしょう。

今回の記事では、湯の山温泉から御在所岳へ直通の「御在所ロープウエイ」について、基本的な営業情報から施設内店舗情報、アクセス方法に見どころポイントまで紹介します。

温泉だけで帰るのはもったいないと考えている人は、ぜひチェックしてみてください。

湯の山温泉から乗れる「御在所ロープウエイ」とは?

御在所ロープウエイ
出典:三重フォトギャラリー

「御在所ロープウエイ」は、三重郡菰野町の湯の山温泉と、鈴鹿山脈の主峰である御在所岳を結ぶ日本最大級のロープウェイです。

「ロープウエイ湯の山温泉駅」と「ロープウエイ山上公園駅」の区間を片道12分で往来し、標高差は約780m、全長は2,161mにもおよびます。

運営しているのは、三重交通グループ会社の「御在所ロープウエイ株式会社」です。

所在地三重県三重郡菰野町湯の山温泉
電話番号059-392-2261
(案内受付時間9:00〜17:00※冬季は9:00〜16:00)
FAX番号059-392-2526
公式HPhttps://www.gozaisho.co.jp
※2025年5月時点の情報です

ロープウェイからは伊勢平野や伊勢湾、知多半島などが一望でき、四季によってさまざまな表情が見られるのも魅力です。

湯の山温泉で、自然も一緒に楽しみたい人にとってはうってつけのスポットといえるでしょう。

御在所ロープウエイの歴史

御在所ロープウエイは1959年に営業を開始し、2019年には開通60周年を迎えた、歴史あるロープウェイです。

開業翌年の1960年には観光リフトの運転を開始し、1989年には、日本にも多く導入されているスイスのCWA社のゴンドラを新たに36両導入。

2018年には、窓が大きく設計され、床にも展望窓のあるCWA社の新型ゴンドラ「ルミエール」を10両導入しました。

開業以降、1972年には搭乗者数が1,000万人を超え、2016年には4,000万人を突破しており、多くの人に利用されています。

参照 : 御在所ロープウエイ

湯の山温泉のロープウェイの営業情報

ロープウェイ
出典:三重フォトギャラリー

湯の山温泉のロープウェイの営業情報について、詳しく紹介していきます。

御在所ロープウエイは「春から秋までの期間」と「冬の期間」で営業時間が異なるため、注意が必要です。

ロープウェイの営業時間と料金、あわせてロープウエイ山上公園駅から山頂を結ぶ「観光リフト」についても紹介します。

湯の山温泉から御在所岳の観光にロープウェイの利用を考えている人は、参考にしてください。

営業時間

御在所ロープウエイは、以下の営業時間で、原則として年中無休で営業しています。

時期営業開始上り終了下り終了
4月1日〜11月30日9:0017:0017:20
12月1日〜3月31日9:0016:0016:20
※2025年5月時点の情報です

ただし、年に数日、安全運行のための点検工事で運休する場合があります。2025年度の設備点検工事期間は以下のとおりです。

  • 4月8日〜4月11日
  • 7月7日〜7月12日
  • 9月9日〜9月12日
  • 12月9日〜12月23日

なお、ロープウェイはレギュラーゴンドラ26両、ルミエールゴンドラ10両の計36両で、1分間隔で発車しています。

ただし、あくまでも安全が第一のため、悪天候時は30分間隔での運行になる場合や運転の見合わせ、運転休止になる場合もあるので留意しておきましょう。

料金

御在所ロープウエイの乗車運賃は、以下のとおりです。

往復片道
大人(中学生以上)2,600円1,500円
小人(4歳以上小学生以下)1,300円750円
障がい者割引・大人1,380円740円
障がい者割引・小人690円380円
※2025年5月時点の情報です

3歳児以下の幼児は、乗車料金はかかりません。

障がい者の人は各種手帳、または障がい者手帳アプリを提示すれば、以下のとおりに割引が適用されます。

  • 障がい者手帳旅客運賃減額欄第1種…本人+介護者
  • 障がい者手帳旅客運賃減額欄第2種…本人のみ
  • 精神障がい者保健福祉手帳…本人+介護者
  • 療育手帳…本人+介護者

精神障がい者保健福祉手帳と療育手帳は、級種は問われません。

また、ペットの輸送についてはキャリーケース1つにつき、片道500円、往復1,000円で対応しています。

観光リフト[ロープウエイ山上公園駅〜御在所岳山頂]

ロープウエイ山上公園駅から御在所岳山頂までは、山道を歩いて30分程度で着きますが、観光リフト(1人乗り)を使って行くことも可能です。

観光リフトはロープウエイ山上公園駅のすぐ近くに「ロープウエイ駅」があり、「カモシカ駅」を経由して「頂上駅」まで約8分でアクセスできます。

料金はロープウエイ駅から頂上駅までが片道400円で往復が700円、1区間の利用であれば300円で、自由に乗り降りしたいのであれば1,000円の1日券が便利です。

観光リフトもロープウェイと同様に、時期ごとによって営業時間が異なり、冬季はスキーリフトとしても利用されます。

営業開始営業開始営業開始
4月1日〜11月30日9:3016:4017:00
12月1日〜3月31日9:3015:4016:00
※2025年5月時点の情報です

ただし、スキー場の専用のスキーリフトやレンタルスキーは、営業時間が9:30〜15:30までなので注意しましょう。

観光リフトからも四季折々の景色が楽しめるので、頂上までできるだけ早くいきたい人や、体力に自信のない人は活用してみてください。

湯の山温泉のロープウェイの施設内にある店舗情報

湯の山温泉ロープウェイ
出典:三重フォトギャラリー

御在所ロープウェイには、観光客や登山者などが利用できる飲食店や売店もあります。

主な飲食店や売店の営業時間は以下のとおりです。

営業時間
(4月〜11月)
営業時間
(12月〜3月)
展望レストラン
「ナチュール」
9:10〜17:009:10〜16:00
喫茶・売店・食事
「アルペンホール」
9:10〜17:009:10〜16:00
お土産ショップ
「ベルフォレ」
9:00〜17:409:00〜16:40
モンベルルーム御在所店9:00〜17:009:00〜16:00
ファストフード
「ベルシエル」
9:00〜17:009:00〜16:00
※2025年5月時点の情報です

ただし、ナチュールとアルペンホールは食事時間が別に決められています。共に4月〜11月は10:00〜16:30、12月〜3月は10:00〜15:30の時間で食事の利用が可能です。

湯の山温泉のロープウェイ乗り場へのアクセス方法

湯の山温泉ロープウェイ
出典:三重フォトギャラリー

湯の山温泉のロープウェイ乗り場へは、以下のとおりに公共交通機関か車でアクセスできます。

公共交通機関を利用する場合・近鉄湯の山線(近鉄四日市駅から乗換可能)の「湯の山温泉駅」から三重
 交通バスに乗り「湯の山温泉・御在所ロープウエイ前」で下車
・[高速バス]「名古屋・名鉄バスセンター」から
 「湯の山温泉・御在所ロープウエイ前」に直通(約70分)
車で行く場合・新名神高速道路「菰野IC」から約10分
・東名阪自動車道「四日市IC」から約25分

電車とバスを乗り継いで行く場合は、湯の山温泉駅から湯の山温泉・御在所ロープウエイ前までのバスの乗車時間は10分程度です。

車で行く際は、ロープウェイ乗り場の近辺で、300台分の駐車が可能な「御在所ロープウエイ駐車場」が利用できます。

料金は終日料金で、マイクロバスなどの大型車なら2,000円、普通車や自動二輪車などは1,000円です。

湯の山温泉のロープウェイの見どころ5選!

湯の山温泉ロープウェイの見どころ
出典:三重フォトギャラリー

湯の山温泉からロープウェイを利用する人に、ぜひ楽しんでほしい御在所岳の見どころスポットを紹介します。

ロープウェイから見れるスポットや、山上公園駅到着後に楽しめるスポットを5つ厳選しました。

  1. 白鉄塔
  2. 奇岩・珍岩
  3. 朝陽台広場
  4. 富士見岩展望台
  5. 望湖台

各スポットについて、順番に詳しく解説していきます。

1.白鉄塔

御在所ロープウエイの名物の1つが、ロープウェイの鉄塔の中で日本一の高さを誇る白鉄塔です。

標高943mの地点に建つ御在所ロープウエイの6号支柱の白鉄塔は、高さ61mで建設当時は世界一の高さでもありました。

6号支柱は、東京タワーと同じリベット接合という高度な技術で接合されています。元々は緑色でしたが、1964年に白く塗り替えられ、その姿は知多半島からも確認可能です。

大自然の中で一際存在感を放ち、ロープウェイからも圧倒的な迫力を堪能できる白鉄塔は、御在所ロープウエイを象徴する建造物といわれています。

2.奇岩・珍岩

湯の山温泉のロープウェイに乗った際にぜひチェックしてほしいのが、御在所岳に数多くある奇岩や珍岩です。

一際目を引くのは、白鉄塔にさしかかった時に見える鷹見台。ゴンドラ内でアナウンスもありますが、山の緑に囲まれたその奇岩は、まるで鷹が木の上で羽を休めているかのようです。

山上公園駅に着く手前では、南側に高さ10mほどの大黒岩が見えます。絶壁の上にぽつんとたたずむ巨岩は、その様子が大黒様が岩に座っているように見えたことから、大黒岩と名付けられたそうです。

ほかにも恵比寿岩や登山道中にある地蔵岩など、さまざまな奇岩や珍岩があるので、自然の不思議を体感したい人はチェックしてみてくださいね。

3.朝陽台広場

朝陽台広場はロープウェイ山上公園駅から、最も近いメイン展望台です。

駅構内を道なりに進むと二重扉があり、外に出ると展望台広場に上がる階段があります

展望台からは壮大な景色が楽しめ、空気が澄んでいれば、伊勢湾や知多半島まで見渡すことも可能です。

なお、朝陽台広場から東に1分ほど歩いたところには、正面に鎌ヶ岳を望める見晴台もあります。見晴台からはロープウェイが運行する様子も眺められますが、それなりの絶壁箇所なので、高いところが苦手な人は無理をしないようにしましょう。

4.富士見岩展望台

朝陽台広場から東に4分ほど歩いたところにあるのが、富士見岩展望台です。手すりのついた巨大な岩に登ると絶景が広がり、名前のとおり富士山も見られます。

ただし、残念ながら天候や大気の状態などの条件がそろわないと、富士山はなかなか見られません。富士山が見られるかどうかは、運試し程度に考えておけば、壮大な絶景を純粋に楽しめるでしょう。

岩の上の展望台なので、景色を眺める際は、足元に充分注意するようにしてください。

5.望湖台

ロープウェイ山上公園駅からさらに上に登る人の多くは、頂上が目的かもしれませんが、頂上から2分ほど西に歩いたところにある望湖台もおすすめです。

望湖台は名前のとおり、空気が澄んでいる日には滋賀県の琵琶湖が望めます。こちらも石の上の展望台になるため、足元には注意しましょう。

なお、望湖台はサンセットでも有名なスポットです。御在所ロープウエイでは、日数限定のサンセット運転も実施しているので、気になる人は今後の情報をぜひチェックしてみてください。

参考までに、2024年は10月12日〜14日の3日間で、観光リフトの下り最終を17:40、ロープウェイの下り最終を18:30に延長して営業していました。

湯の山温泉のロープウェイで大自然を満喫しよう!

湯の山温泉のロープウェイ
出典:三重フォトギャラリー

湯の山温泉のロープウェイは、温泉と周辺の豊かな自然を楽しむのに、非常に便利な輸送ツールです。

御在所岳は登山口から普通に登山すると上りで約3時間半、下りで約2時間半と往復で約6時間かかります。ロープウェイを使えば山上まで片道12分、山頂までは観光リフトもあわせて利用すれば片道20数分程度です。

御在所ロープウエイは、ただ時間の短縮になるだけでなく、ロープウェイからの見どころが多いのも大きな魅力。時間に余裕があれば徒歩、疲れたので帰り道はロープウェイなど、臨機応変な使い方もできるでしょう。

効率的に湯の山温泉〜御在所岳の大自然を楽しみたい人は、ぜひ御在所ロープウエイを活用してみてくださいね。