太陽が照りつける季節、ひんやりとしたそうめんがひときわ美味しく感じられますね。

そんなそうめんの中でも、格別な存在感を放つのが三重県四日市市の伝統の味「大矢知そうめん」です。

しっかりとした歯ごたえの後に訪れる、つるりと滑らかな喉越し。その絶妙なバランスが生み出す深い味わいは、一度食べると忘れられないと評判です。

この記事では、大矢知そうめんの魅力をもっと知りたい方へ、以下の内容をお届けします。

  • 大矢知そうめんの特徴
  • 人気ブランドの比較
  • 購入方法
  • 美味しい食べ方

夏だけに食べるそうめんのほかに、温かい「にゅうめん」などさ、さまざまな魅力も紹介していきます。

大矢知そうめん 3つの特徴

伊藤製麺所
出典:伊藤製麺所

大矢知そうめんが多くの人に愛されるのには、以下のように明確な理由があります。

  1. コシが強く喉越し滑らか
  2. 伝統的な手延べ製法を継続
  3. ひやむぎやうどんも絶品

まずは、その美味しさの秘密に迫ります。

1.コシが強く喉越し滑らか

大矢知そうめんの最大の特徴は、なんといってもその強いコシと、つるりとした滑らかな喉越しです。

大矢知地区に吹く鈴鹿おろし(乾燥した北西の季節風)と朝明川の清流という気候と風土が麺の製造に適しており、この独特の食感が生まれました。

一般的なそうめんよりもやや太めに作られることが多く、それがしっかりとした歯ごたえと満足感につながります。茹で伸びしにくいのも嬉しいポイントで、最後まで美味しくいただけます。

暑い夏に食欲をそそる一品です。

2.伝統的な手延べ製法を継続

現在そうめんの製造は、薄くのばした生地を機械の歯で細く切って乾燥させる機械式そうめんと、伝統的な手延べそうめんに分かれます。

手延べそうめんは、棒に掛けた麺を数段階に分け手作業で徐々に延ばし、細くしていくのが特徴です。

大矢知地区では、現在でも10軒ほどの事業所が手延べそうめん作りを続けています。一部機械で効率化した部分もありますが、手延べの要の部分は昔のままの製法にこだわり続け、機械で作るそうめんとは異なる食感を残しているのです。

3.ひやむぎやうどんも絶品

大矢知地区では、そうめん作りで培われた技術を活かして、ひやむぎやうどんも製造しています。これらの麺もまた、そうめんと同様に力強いコシと小麦の風味豊かな味わいが特徴です。

大矢知そうめんの美味しさを知ったら、ぜひほかの麺類も試してみてください。

特に、冷たい「ざるうどん」や温かい「釜揚げうどん」は、麺本来の美味しさを堪能できるおすすめの食べ方です。

大矢知そうめんのブランドと選び方

伊藤製麺所
出典:伊藤製麺所

大矢知そうめんにはいくつかのブランドがあり、それぞれに特徴があります。ここでは代表的なブランドを3つ紹介します。

  1. 金魚印:滑らかな喉越し
  2. 三重の糸:くせのない素直な味わい
  3. 扇印:細めの麺と生成り色

お好みにあわせて選んでみてください。

1.金魚印:滑らかな喉越し

「金魚印」は、大矢知そうめんの中でも特に有名なブランドです。鮮やかな金魚の描かれたパッケージが目印。

際立った滑らかな喉越しと、しっかりとしたコシのバランスが良いのが特徴です。

はじめて大矢知そうめんを試す方や、つるつるとした食感が好きな方におすすめです。

冷やしそうめんにすると、その持ち味が最大限に活かされます。

2.三重の糸:くせのない素直な味わい

「三重の糸」も人気のある大矢知そうめんブランドの一つです。小麦本来の風味が生きた、くせのない素直な味わいが特徴で、どんなつゆや薬味とも相性が良いです。

シンプルながら奥深い味わいは、長年地元で愛されており、毎日食べても飽きが来ません。

定番の美味しさを求める方にぴったりでしょう。

3.扇印:細めの麺と生成り色

「扇印」の大矢知そうめんは、ほかのブランドに比べてやや細めの麺線と、自然な生成り色が特徴です。

細めでありながらもしっかりとしたコシがあり、繊細な口当たりを楽しめます。

上品な味わいは、来客時のおもてなしにも喜ばれるでしょう。温かいにゅうめんにしても、その美味しさが際立ちます。

大矢知そうめんはどこで買える?購入方法一覧

出典:渡辺手延製麺所

こだわりの大矢知そうめんを手に入れたいけど、どこで買えるのか気になりますよね。主な購入場所は以下の通りです。

  1. 製造元の直売所
  2. 通販・オンラインショップ
  3. 四日市市のお土産屋さん
  4. 地元のスーパー

各購入場所について、詳しく見ていきましょう。

1.製造元の直売所

最も新鮮で、種類も豊富に揃っているのが製造元の直売所です。作り手の顔が見える安心感もありますし、運が良ければ製造工程の一部を見学できるかもしれません。

こだわりの大矢知そうめんを求めるなら、ぜひ足を運んでみてください。

渡辺手延製麺所(金魚印)

「金魚印」ブランドのそうめんを製造する製麺所の一つです。

製造元ならではの品揃えの中から、お気に入りの一品を見つけてはいかがでしょうか。贈答用の相談もしやすいでしょう。

項目情報
営業時間平日11:00~18:00 
定休日日曜、祝日、年末年始、夏期休業
住所三重県四日市市川北1−13−9
連絡先059-366-3522
アクセス【車の場合】
伊勢湾岸自動車道「みえ朝日IC」より5分

【公共交通機関】
三岐鉄道「大矢知駅」より徒歩17分
駐車場あり
公式サイトhttp://www.pcs.ne.jp/~otm/index.html

伊藤製麺所(金魚印)

こちらも人気の「金魚印」を製造する製麺所です。

地元で長年親しまれている確かな品質の大矢知そうめんを直接購入できます。家庭用のお得な商品から、きちんとした贈答用まで、用途にあわせて選べるのが魅力です。

項目情報
営業時間平日9:00~17:00 
定休日日曜日(事前にご確認ください)
住所三重県四日市市大矢知町 2644−1
連絡先059-365-2717
アクセス【車の場合】
伊勢湾岸自動車道「みえ朝日IC」より6分

【公共交通機関】
三岐鉄道「大矢知駅」より徒歩9分
駐車場あり
公式サイトhttps://ito-seimenjo.jp/
SNSアカウント公式Instagram

古市典夫手延製麺所(金魚印)

伝統的な手延べ製法を守り続ける製麺所で、「金魚印」のそうめんを取り扱っています。

直売所では、職人の技が光るこだわりの大矢知そうめんをお買い求めいただけます。

不定休のため、訪問の際は事前に店舗に連絡を入れ、確認してから向かうとよいでしょう。

項目情報
営業時間事前にお問い合わせください
定休日事前にお問い合わせください
住所三重県四日市市大矢知町522
連絡先059-365-3619
アクセス【車の場合】
伊勢湾岸自動車道「みえ朝日IC」より6分

【公共交通機関】
三岐鉄道「大矢知駅」より徒歩12分
駐車場あり
公式サイトhttps://kingyojirushi.com/

三重の糸 大矢知手延素麺株式会社

「三重の糸」ブランドの製造元です。

こちらの直売所では、小麦の風味豊かなそうめんはもちろん、同じ製法で作られるひやむぎもおすすめです。

品質に定評のある麺製品は、お土産や贈り物に最適でしょう。

項目情報
営業時間事前にお問い合わせください
定休日事前にお問い合わせください
住所三重県四日市市大矢知町1207−6
連絡先059-365-0621
アクセス【車の場合】
伊勢湾岸自動車道「みえ朝日IC」より8分

【公共交通機関】
三岐鉄道「大矢知駅」より徒歩5分
駐車場あり
公式サイトhttps://nihontenobe.com/kumiai/mienoito.html

2.通販・オンラインショップ

なかなか現地まで行けない方は、通販やオンラインショップを利用しましょう。各製麺所のウェブサイトや大手通販サイトなどで手軽に大矢知そうめんを購入できます。

さまざまなブランドを比較検討できるのも魅力です。自宅にいながら本場の味を取り寄せられるのは嬉しいポイントです。

また、ふるさと納税サイトでも取り扱いがあるので、お得に返礼品を手に入れたい方におすすめです。

参考:さとふる ふるさと納税

3.四日市のお土産屋さん

四日市市を訪れた際には、お土産屋さんを覗いてみるのもよいでしょう。

地元の特産品として、大矢知そうめんを取り扱っている店舗が多数あります。旅の記念や、大切な方への贈り物にいかがでしょうか。

以下で、おすすめのスポットを紹介していきます。

じばさん(四日市市地場物産業振興センター)

「じばさん」は、四日市の地場産品が一堂に集まる施設です。

大矢知そうめんも複数のブランドが並んでいることもあり、見比べて選ぶ楽しさがあります。

そうめん以外にも、萬古焼や伊勢茶など、四日市ならではのお土産も一緒に探せるので、観光客にとって非常に便利なスポットです。

項目情報
営業時間名品館:10:00〜19:00
貸館:9:00〜21:00
受付:9:00〜17:00
休館日毎週水曜日

12月29日〜1月3日
住所三重県四日市市安島1丁目3番8号
連絡先059-353-8100
アクセス【公共交通機関】
近鉄四日市駅より徒歩5分
駐車場あり
公式サイトhttps://yokkaichi-shinko.com/jibasan/

四日市物産観光ホール

近鉄四日市駅構内にあり、気軽に立ち寄れる物産観光ホールです。

こちらでも、地元を代表する特産品として大矢知そうめんが販売されています。

四日市の観光情報も得られるので、情報収集とあわせてお土産探しをするのに適しています。

項目情報
営業時間10:00〜19:00
休館日毎週火曜日12月29日〜1月3日
住所三重県四日市市安島1丁目1番56号
連絡先059-355-8311
アクセス【公共交通機関】
近鉄四日市駅構内
駐車場なし
公式サイトhttps://kanko-yokkaichi.com/

四日市近鉄百貨店

近鉄四日市駅直結というアクセスの良さが魅力の百貨店です。

食品フロアでは、贈答用にも適した上質な大矢知そうめんが見つかるでしょう。百貨店ならではの確かな品揃えと丁寧な接客で、安心してお買い物ができます。

ほかの食料品や日用品の買い物とあわせて立ち寄れるのも便利です。

項目情報
営業時間10:00〜19:00(食品売場)
休館日不定休
住所三重県四日市市諏訪栄町7−34
連絡先059-353-5151
アクセス【公共交通機関】
近鉄四日市駅直結
駐車場あり

駐車券サービスもあり
公式サイトhttps://www.d-kintetsu.co.jp/store/yokkaichi/access/

4.地元のスーパー

四日市市内のスーパーマーケットでも、大矢知そうめんを取り扱っています

特に夏場には特設コーナーが設けられることもあります。日常のお買い物のついでに探してみてはいかがでしょうか。

普段使いしやすい価格帯の商品が見つかるかもしれません。

おすすめスーパー「スーパーサンシ 大矢知店」

項目情報
営業時間9:00〜23:00
休館日年中無休
住所三重県四日市市大矢知町字斎宮1749
連絡先059-363-6634
アクセス【車の場合】
伊勢湾岸自動車道「みえ朝日IC」より10分

【公共交通機関】
三岐鉄道「大矢知駅」より徒歩23分
駐車場あり
公式サイトhttps://supersanshi.com/shopindex/shoplist/shop-oyachi/

大矢知そうめんの歴史と伝統

古市典夫手延製麺所
出典:古市典夫手延製麺所

大矢知そうめんの歴史は古く、江戸時代後期にまで遡ります。約200年前、お伊勢参りの途中に大矢知に立ち寄った僧侶が、そうめんの製法を伝えたのが始まりとされています。

大矢知地区は、鈴鹿山脈からの伏流水である朝明川(あさけがわ)の清らかな水と、伊勢湾から吹き寄せる冬の寒風「鈴鹿おろし」に恵まれています。これらの自然条件が、コシの強い良質なそうめん作りに適していたのです。

以来、伝統の製法が受け継がれ、今日では四日市を代表する味として親しまれています。

大矢知そうめんの美味しい食べ方!定番からアレンジレシピまで紹介

せっかく大矢知そうめんを食べるなら、その美味しさを最大限引き出す調理方法で味わいたいですよね。

ここからは、定番からちょっと変わったアレンジまでご紹介します。

【定番】冷やしそうめんで本来のコシと喉越しを堪能

やはり一番のおすすめは、シンプルな冷やしそうめんでしょう。大矢知そうめん本来のしっかりとしたコシと、つるりとした喉越しを最もよく味わえる食べ方です。

たっぷりのお湯で茹で上げ、冷水でよく洗い、氷水でキリッと締めるのが美味しく仕上げるコツです。

茹で時間は普通のそうめんと同様に1分半〜2分程度でOKですが、ブランドによっては3〜4分に設定している場合もあります。商品の説明をよく確認してください。

お好みの麺つゆに、ネギ、ショウガ、ミョウガなどの薬味を添えてどうぞ!

シンプルな食べ方だからこそ、麺の質の高さが際立ちます。

【温かい】コシのある「にゅうめん」もおすすめ

大矢知そうめんは温かい「にゅうめん」にしても絶品です。冷たいそうめんとはまた違った、もちもちとした食感と麺の風味を味わえます。

煮込んでも伸びにくいので、野菜や肉、卵などと一緒に煮込んで具だくさんにすると、栄養満点で体も温まります。

寒い季節や、少し食欲がない時にもおすすめです。

【アレンジ】パスタ風からチャンプルーまで

大矢知そうめんのしっかりとした食感は、アレンジレシピにもぴったりです。

パスタ風そうめんオリーブオイルとにんにくで炒めた具材と絡めれば、和風ペペロンチーノのような一品に。
トマトソースやクリームソースとも意外な相性の良さをみせるでしょう。
そうめんチャンプルー沖縄料理のチャンプルーをそうめんで。
豚肉や野菜と一緒に炒めれば、ボリューム満点のおかずに大変身します。
サラダそうめん色とりどりの野菜や鶏むね肉、エビなどと一緒に盛り付け。
ごまドレッシングやポン酢でいただくのもヘルシーで美味しく召し上がれます。

    アイデア次第でさまざまな料理に活用できるのも、大矢知そうめんの魅力の一つです。

    四日市が誇る伝統の味「大矢知そうめん」を味わい尽くそう!

    今回は、四日市の名産品「大矢知そうめん」について、その特徴から購入方法、美味しい食べ方まで詳しく紹介しました。

    200年の伝統と大矢知のきれいな水、鈴鹿おろしのからっ風。自然条件が育んだ力強いコシと滑らかな喉越しは、一度食べたら忘れられない美味しさです。

    この夏はぜひ、こだわりの大矢知そうめんを味わってみてはいかがでしょうか。

    四日市を訪れて、お気に入りのブランドを探してみるのも楽しいですよ!