最終更新日:2025年8月13日
豚肉の旨みがジュージューと音を立てて焼き上がり、ニンニクの香りが食欲を刺激する…
三重県四日市市のご当地グルメ「とんてき」は、地元の食卓から観光客まで、幅広く愛される名物料理です。
本記事では、四日市在住歴18年の筆者が実際に足を運び、味わってきた経験をもとに、とんてきの魅力をまとめました。
この記事でわかること!
- 元祖の味を受け継ぐ老舗店
- 行列必至の人気店
- 利用シーン別のおすすめ店
- 食事と一緒に楽しめる周辺観光スポット
- 自宅で味わえるお取り寄せ情報
- 家庭で作れる簡単レシピ
とんてきを初めて知るという方も、何度も食べたことがある方も、四日市とんてきの魅力をまるごと体験できる内容です。

記事を読めば「とんてき」のすべてがまるっと理解できますよ!
四日市とんてき4つの基本情報
四日市とんてきは、地元で長く愛されるソウルフードであり、今では観光客にも人気のご当地グルメです。まずは、その魅力や誕生の背景などを紹介します。
- とんてきの特徴
- とんてき誕生の背景
- とんてきの定義
- キャベツも主役級の存在
とんてきの全体像を知ってから味わうことで、一皿の価値がより深く感じられるはずです。
1.とんてきの特徴
とんてきは、分厚い豚肩ロースをにんにくと濃厚な黒いソースで豪快に焼き上げた四日市発祥の料理です。
食欲をそそる香りと迫力ある見た目、そしてご飯が止まらなくなる味付けで、多くの人を魅了してきました。
四日市とんてきの特徴
- 一度食べたらやみつきになるインパクト
- 濃厚の甘辛ソースが白ご飯と相性抜群
- お酒のおつまみにも最適

筆者も、地元の飲食店で何度も味わってきましたが、店によって特徴やこだわりに違いがあって面白いです!
2.とんてき誕生の背景
四日市とんてきは、戦後間もない昭和期に誕生しました。発祥の店とされるのは、かつて四日市市西新地にあった中華料理店「來來憲(らいらいけん)」です。
当時、コンビナート建設で活気づいた四日市には多くの肉体労働者が集まり、ボリュームのある料理が求められていました。店主の下田憲雄氏は、厚切り豚肉をにんにくと特製タレで豪快にソテーした一皿を考案。これが「とんてき」の始まりとされています。
※参考:まつもとの来来憲
そのおいしさは瞬く間に評判となり、市内の飲食店に広がっていきます。2008年には「四日市とんてき協会」が設立され、定義が明文化されるとともに、各種イベントやB-1グランプリを通じて全国的に知られるようになりました。
※参考:四日市とんてき協会
3.とんてきの定義
四日市とんてき協会が定める公式な条件は、以下の4つです。
- 厚切りの豚肉をソテー
- 濃厚で黒めのソースで味付け
- にんにくを添える
- 千切りキャベツを付け合わせる
※出典:四日市とんてき協会
豚肉の切り方も特徴があり、短冊状・スティック状・グローブ状のいずれか。中でも、片側がつながった手袋のような形「グローブ」は定番のスタイルです。

4.キャベツも主役級の存在

四日市とんてきの特製ソースは、シャキシャキのキャベツと抜群の相性を誇ります。
ソースをたっぷり絡めて豚肉と一緒に頬張れば、そのおいしさでご飯がどんどん進みます。
食べ終わった際にソースが残っている場合は、キャベツをおかわりするのが地元で定番の食べ方です。

追加のキャベツに残ったソースを絡めて食べれば、最後の一口まで満足感を味わえますよ!
初めてならココ!四日市とんてき王道の有名店

四日市とんてきを味わうなら、まずは地元で長年愛され続ける有名店から始めるのがおすすめです。
とんてきの魅力を代表する名店をご紹介します。
- まつもとの来来憲|元祖の味を受け継ぐ老舗
- 隆座(たかくら)|霜降りロースが自慢の行列店
まずはこの2店を知っておけば、初めての四日市とんてき体験でも間違いありません。
1.まつもとの来来憲

「まつもとの来来憲」は、四日市とんてきの代名詞的存在ともいえる老舗店です。
とんてきの発祥店である「来来憲」で修業したご主人が独立して開業し、元祖の味を現代に伝え続けています。
観光客はもちろん、地元客にも根強いファンが多く、休日は開店前から行列ができることも珍しくありません。

来来憲の名物「大とんてき」の特徴
- 250gの厚切り肩ロースを使用
- 特製ソースはラードとにんにくが絶妙なバランス

濃厚な味付けが白ご飯と相性抜群で、シンプルながらもクセになる一皿です!
なお、まつもとの来来憲については、以下の関連記事で詳しく解説しています。

2.隆座(たかくら)

「隆座(たかくら)」は、品質の高い霜降りロース肉を使ったとんてきが評判の名店です。
オープン前から駐車場が満車になるほどの人気で、県外から訪れる人も多く、四日市とんてきの魅力を全国に広めてきました。

隆座ならではの特徴
- 霜降りロース肉がやわらかくジューシーな食感
- 青森県産にんにくを丸ごと特製タレで絡める
- インパクト抜群の山盛り千切りキャベツ

見た目の迫力と、やわらかな食感の両方を兼ね備えた一皿は、初めての方にもおすすめです!
上品な味わいながらボリュームは十分で「とんてきの概念が変わった!」というリピーターが絶えません。SNS映えする迫力あるビジュアルも魅力です。
シーン別に選ぶ!四日市とんてきのおすすめ店

四日市とんてきは、店ごとに個性があり、利用シーンに合わせて選ぶ楽しみがあります。
ここでは、さまざまなニーズに対応した店舗を紹介していきます。
- 駅近で便利!近鉄四日市駅周辺のとんてき店
- 家族でゆっくり!子連れ歓迎のとんてき店
- 夜遅くまで営業!仕事帰り・二次会向けとんてき店
それぞれの特徴やおすすめポイントを詳しく見ていきましょう。
1.駅近で便利!近鉄四日市駅周辺のとんてき店

観光や出張で四日市を訪れる方には、拠点となる近鉄四日市駅周辺のとんてき店がおすすめです。
どの店も駅から徒歩圏内。移動時間を節約できるので、短時間の滞在でも本場の味を楽しめます。

ランチはもちろん、夜の食事や飲み会にもぴったりです!
おすすめ店 | 特徴 |
---|---|
一楽 | 中華料理店ならではの醤油ベースの甘辛タレ |
あさひ食堂 | 昭和の雰囲気漂うレトロな大衆食堂 |
なお、近鉄四日市駅周辺のとんてき店については、以下の関連記事でより詳しく解説しています。

2.家族でゆっくり!子連れ歓迎のとんてき店

座敷席や個室があり、家族や子ども連れでもゆったり食事ができるとんてき店を紹介します。
食事のあとに立ち寄れる施設が近い店舗など、家族旅行や週末のお出かけにも最適です。
おすすめ店 | 特徴 |
---|---|
おふろcafe 湯守座 | ・天然温泉施設のレストラン ・お風呂と一緒に、とんてきや地元グルメを楽しめる |
とんとん食堂 | ・御在所サービスエリア(下り)のフードコート内にある店舗 ・お出かけの際、休憩がてらに本格とんてきを味わえる |
とんとん食堂がある御在所サービスエリアのお食事については、以下の記事で確認できます。


ちなみに、みんなで食べる際はコマギレタイプのとんてきを選択しておくとシェアしやすいですよ!

3.夜遅くまで営業!仕事帰り・二次会向けとんてき店

仕事終わりや二次会の後でも立ち寄れる、夜遅くまで営業しているとんてき店を紹介します。
夜景観賞のあとに立ち寄るスポットとしてもおすすめです。
おすすめ店 | 特徴 |
---|---|
トンテキ屋ちゃん | ・深夜まで営業のとんてき店 ・こってりのラーメンも絶品 |
東京おぎくぼラーメンゑびすや | ・名物ラーメンと組み合わせて楽しむとんてき |

ラーメンも絶品なので、飲み会の後のシメにも利用できます!
これらの店舗は、四日市市を中心に展開しているご当地チェーン店です。以下の関連記事で最寄りの店舗をチェックしておきましょう。

とんてきカレーも四日市名物の新定番

意外性を楽しむなら、とんてきカレーがイチオシです。
とんてきの濃厚なタレとスパイス香るカレーの組み合わせは、相性抜群。ガッツリ派にもうれしいメニューです。
おすすめ店 | メニュー | 特徴 |
---|---|---|
CoCo壱番屋 (市内の一部店舗) | とんてきカレー | ・とんてきとキャベツをカレーにトッピング ・四日市限定のメニュー |
カレーハウス おに家 | うす焼とんてきカレー | ・120時間煮込んだルーととんてき ・おに家の人気メニュー |

とんてきの新しい魅力を発見したい方は、ぜひ「とんてきカレー」も試してみてください!
とんてきと一緒に楽しむ四日市観光スポット

せっかく四日市でとんてきを味わうなら、食事の前後に立ち寄れる観光スポットも把握しておきましょう。旅の充実度が高まること必至です。
工場夜景を楽しむクルーズや展望台、伝統工芸、歴史施設など、気分や時間に合わせて選べます。
スポット名 | 特徴 |
---|---|
四日市コンビナート工場夜景クルーズ | 海上から幻想的な工場夜景を鑑賞できる人気ツアー |
四日市港ポートビル (うみてらす14) | 地上100mの展望台から街と海を一望 |
ばんこの里会館 | 萬古焼の歴史や制作体験ができる施設 |
四日市市立博物館 (そらんぽ四日市) | 市の歴史や工業発展を学べる博物館プラネタリウムも併設 |
四日市の観光スポットを巡るなら、2泊3日のモデルコースを紹介している以下の記事を参考にしてみてください。

四日市とんてきをお取り寄せ・テイクアウトする方法

四日市とんてきは、現地で食べるのが一番ですが、自宅でも十分に楽しめる方法があります。
市内店舗やメーカーが販売する通販商品、テイクアウト対応店を知っておけば、旅の後も本場の味を堪能できます。ここでは以下の2つのパターンを紹介します。
- テイクアウト対応店舗
- 通販で購入できる商品
それぞれ確認していきましょう。
1.テイクアウト対応店舗

四日市市内や近郊には、持ち帰り対応を行っているとんてき店も多数あります。
旅行帰りにお土産として持ち帰ったり、自宅でゆっくり楽しむことも可能です。事前に電話予約をしておくと、スムーズに受け取れます。
まつもとの来来憲では、店舗前に24時間購入可能な冷凍のとんてき自販機も設置されています。
テイクアウト対応の店舗 | 特徴 |
---|---|
まつもとの来来憲 | ・電話予約推奨、定食も持ち帰り可 ・店舗の外に、冷凍とんてき自販機あり |
2.通販で購入できる商品

まつもとの来来憲では、公式通販で全国発送に対応しており、自宅用だけでなく贈答品としても喜ばれます。
さらに、四日市とんてき協会認定の「コーミ 四日市とんてきのたれ」は、東海地方のスーパーで手に入り、家庭料理にも活用できます。
【通販】 まつもとの来来憲 | ・公式サイトの通販で全国発送 |
【市販ソース】 コーミ「四日市とんてきのたれ」 | ・とんてき協会認定の万能ソース、東海地方のスーパーで販売 ・コーミの公式オンラインショップでも購入可能 |
家庭でも楽しむ!四日市とんてきの簡単レシピ
市販のたれやラードを使えば、家庭でも手軽に本格的な四日市とんてきを再現できます。グローブ状の切り込みを入れると見た目も本場らしくなり、食べやすさも向上しますよ。
必要な材料は、以下のとおりです。
材料 | 分量 |
---|---|
豚肩ロース (またはとんかつ用のロース肉) | 4枚 (1枚100g程度) |
コーミ四日市とんてきのたれ | 4人前 (大さじ10) |
ラード | 80g |
ニンニク | 8かけ |
千切りキャベツ | 適量 |
作り方はシンプルで、以下の4ステップです。
豚肩ロース肉(またはとんかつ用のロース肉)をグローブ状に切り込みを入れておく
フライパンにラードを熱し、軽くつぶしたニンニクとともに【1】を中火で焼く
軽く火が通ったらコーミ四日市とんてきのたれを加え、とろみがつく程度に煮詰めてできあがり
千切りキャベツを添えてお召し上がりください

ちなみに四日市市内のスーパーでは、とんてき用の豚肉が普通に売っていますよ!
四日市とんてきに関するよくある質問

初めて四日市とんてきを食べる方や、観光で訪れる方から寄せられる疑問をまとめました。
提供時間や注文時の工夫など、知っておくとより快適に楽しめるポイントを紹介します。
-
とんてきは提供までどれくらい時間がかかりますか?
-
とんてきは厚切りの豚肉をじっくり焼き上げるため、注文から提供まで15〜20分ほどかかる場合があります。特に混雑時はさらに時間が延びることもあるため、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。
-
にんにくが苦手でも食べられますか?
-
多くの店舗では、注文時に「にんにく抜き」をリクエストできます。香りや風味が気になる方でも安心して楽しめますので、スタッフに気軽に相談してみてください。
-
とんてきのボリュームはどのくらいですか?
-
一般的なサイズでも150〜200g、大とんてきになると300g以上になることもあります。少食の方は「小とんてき」や「ハーフサイズ」を選んでおくと安心です。
四日市の名物グルメとんてきを満喫しよう

四日市とんてきは、歴史ある元祖の味から、シーン別・観光と組み合わせた楽しみ方まで、多彩な魅力を持つご当地グルメです。
現地で食べる迫力と香りは格別ですが、テイクアウトや通販、家庭での再現レシピを活用すれば、旅の後もその味を楽しめます。

この記事を参考に、自分の好みや予定に合ったお店や楽しみ方を見つけてみてください!
四日市でしか味わえない一皿が、きっと旅の思い出をさらに豊かにしてくれるはずです。