香り高い一杯に癒されながら、家族でほっとひと息つける旅をしてみませんか……
お茶の産地と聞くと静岡や宇治を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は三重県も全国有数の生産地です。
中でも四日市市水沢(すいざわ)地区の「かぶせ茶」は、生産量日本一を誇る特産品として、地元で広く知られています。※
水沢は広大な茶畑が広がり、のどかな風景が魅力のエリアです。茶農家が営む直売所やカフェでは、かぶせ茶の試飲や購入ができ、ここでしか味わえない体験が楽しめます。

休日の小旅行先として、家族連れやカップルにも人気がありますよ!
本記事では、そんな四日市の「かぶせ茶」の魅力をたっぷりとご紹介します。
ぜひ最後までご覧いただき、四日市の自然と味覚を満喫してみてください。
※出典:三重県|農産園芸:茶業の振興
四日市の名産かぶせ茶とは?概要をサクッと解説
まろやかな甘みと、すっきりとした飲みやすさが魅力の「かぶせ茶」。その代表的な産地が、三重県四日市市の水沢エリアです。
かぶせ茶は、茶葉を摘む直前に黒い覆いをかぶせ、日光を遮って育てる独特の製法が特徴です。これにより、苦みや渋みが抑えられ、旨み成分(テアニン)が引き立った、まろやかな味わいになります。
緑茶のなかでも、渋みの少ない飲み口は、普段お茶を飲まない人でも「おいしい」と感じやすく、年齢問わず親しまれています。
水沢地区がかぶせ茶の産地となった理由
水沢地区は、鈴鹿山脈のふもとに位置し、朝霧や昼夜の寒暖差といった自然条件がそろった、かぶせ茶栽培に最適な土地です。
全国一の生産量を誇る三重県の中でも、高品質な茶葉が収穫される地域として知られています。
お茶の色は深い緑色、香りはやさしく、食事やスイーツとも相性抜群。カフェや直売所で楽しめる水沢のかぶせ茶は、お土産やギフトとしても人気です。
四日市水沢エリアへのアクセス情報

自然豊かな茶畑が広がる四日市市・水沢エリア。「東名阪自動車道」や「新名神高速道路」からのアクセスも良好で、愛知・岐阜・滋賀といった近隣県からも日帰りで訪れやすい立地です。
観光やカフェ巡りを楽しむには、あらかじめアクセス方法を把握しておくと安心です。公共交通と自家用車、それぞれの移動手段に応じた情報をご紹介します。
公共交通でのアクセス
水沢エリアへ公共交通で向かう場合は、電車とバスを組み合わせた移動が基本です。
近鉄四日市駅やJR四日市駅からはバスの本数も多く、各スポットへのアクセスも比較的スムーズです。
出発駅 | バス路線 | 降車バス停 | 所要時間 | 補足 |
---|---|---|---|---|
・近鉄四日市駅 ・JR四日市駅 | 三重交通「宮妻口」行き | 少年自然の家口 | 約45〜50分 | 茶業振興センター・茶畑エリアに徒歩圏内 |
・近鉄四日市駅 ・JR四日市駅 | 三重交通「椿大神社」行き | 三本松 | 約40〜50分 | 水沢もみじ谷・宮妻峡方面(本数少なめ) |
車でのアクセス
自家用車で訪れる場合は、各方面からのICを経由して水沢エリアまでスムーズにアクセスできます。
出発IC | 所要時間 | 補足情報 |
---|---|---|
四日市IC(東名阪) | 約20分 | 県道9号・557号経由で水沢町へ |
菰野IC(新名神) | 約18分 | 観光や周遊に便利なルート |
鈴鹿IC(東名阪) | 約15分 | 鈴鹿方面からのアクセスに最適 |
鈴鹿PAスマートIC(ETC専用) | 約10分 | 最寄りIC。ETC搭載車のみ利用可 |
各施設には無料駐車場が整備されている場合が多く、車での移動なら茶畑見学や複数の直売所・観光地を効率よく巡ることができます。
なお、新茶の季節や紅葉の時期は混雑が予想されるため、午前中の早めの到着がおすすめです。
四日市・水沢でかぶせ茶を堪能できるカフェ

本場・四日市水沢町でかぶせ茶を味わえるおすすめカフェを2軒紹介します。
地元ならではの、こだわりの一杯をぜひご堪能ください。どちらも茶農家直営カフェなので、お茶へのこだわりは格別です。
- かぶせ茶カフェ
- MARUIKE TEA WORKS
それぞれ詳しく紹介していきます。
1.かぶせ茶カフェ|地元で人気の古民家カフェ

かぶせ茶カフェは、地元の人々に愛されている落ち着いた雰囲気の古民家カフェです。築70年以上の古民家で、上質なかぶせ茶とお茶菓子をゆっくり楽しめます。
昔ながらの日本家屋を改装した趣のある空間が特徴で、畳の部屋やレトロな家具が、懐かしい気持ちにさせてくれます。
おすすめのメニューは「のみくらべ膳」。かぶせ茶のほかに、ほうじ茶、玄米茶、和紅茶など3種類を選んで飲み比べできます。四日市名産の萬古焼(ばんこやき)の茶器でいただけるのも魅力です。
子育ての合間に、子どもと一緒にお茶でほっと一息つける空間として「お子茶まルーム」や「お子茶ま膳」も用意されていますよ。
家族でのお出かけや、カップルのデートにもおすすめです。

以下の動画も参考にしてください!
かぶせ茶カフェの基本情報
2.MARUIKE TEA WORKS|茶農家が営む本格カフェ

茶畑に隣接する予約制の日本茶カフェMARUIKE TEA WORKS(マルイケティーワークス)は、茶農家の池田製茶さんが営む本格的なカフェです。
木のぬくもりを感じる、ナチュラルでおしゃれな店内からは、大きな窓から茶畑が一望でき開放感を満喫できます。
なかなか入れないと噂の日本茶カフェ
— あんずちゃん (@anzuuuu69) August 22, 2022
「MARUIKE TEA WORKS」にチャレンジ!
・水出しの和紅茶
・店主が栽培しているお茶畑から直送!の日本茶2種類
・店主が仕込んだスイーツ
・お茶請け
こんだけ充実してるのにおひとり1,000円以下なんですよ…どうして…?
また行きたい!! pic.twitter.com/BC7K4iauXq
こだわりのお茶は、「さえみどり」「おくみどり」など、さまざまな品種のかぶせ茶を店主がその日の気分で選んでくれます。また、和紅茶などと一緒にその日のお菓子が楽しめるのもおすすめポイントです。
店内には、茶葉の販売コーナーもあり、気に入ったお茶の購入も可能です。茶畑に囲まれたロケーションも魅力的で、都会の喧噪を忘れてリフレッシュできますよ。
予約制のお店ですので、ホームページの予約フォームからの予約が必要です。なお、電話やInstagramのDMでの予約も可能です。
MARUIKE TEA WORKSの基本情報
四日市でかぶせ茶が買えるお店4選

お土産にもぴったりな、四日市のかぶせ茶が買えるおすすめの店舗を4軒紹介します。
それぞれ、農園直営・地元密着などのこだわりが特徴です。ご自宅用はもちろん、お友達や職場への贈り物の購入にも適しています。
- 四日市市茶業振興センター
- 三重茶農業協同組合
- 近鉄百貨店 四日市店
- 萩村製茶「お茶の里きらら」
それぞれ紹介していきます。
1.四日市市茶業振興センター

四日市市茶業振興センターは、四日市市のお茶産業の中心的な施設です。ここでは、四日市産のお茶について学べるほか、お茶の試飲や購入ができます。
「美味しいお茶の淹れ方教室」も定期的に開催されており、専門家から本格的な淹れ方を学べます。
お茶を使った加工品やお菓子なども販売しているので、お土産選びにも最適です。試飲コーナーもあるので、自分好みのお茶を見つけてみましょう。
四日市市茶業振興センターの基本情報
2.三重茶農業協同組合
三重県北勢部の茶農家からなる「三重茶農業協同組合」の直売所でお茶を販売しています。
組合に該当するのは、以下の地域です。
- いなべ市
- 四日市市
- 菰野町
- 鈴鹿市
- 亀山市
- 津市
地元農家さんが作った新鮮なかぶせ茶をお手頃価格で購入できるのが特徴です。
また、施設内ではお茶の製造工程を見学できます。少人数であれば常時見学が可能ですが、事前に電話で予約しておくとより確実です。
歴史ある三重のお茶づくりを間近で感じてみてはいかがでしょうか。
三重茶農業協同組合の基本情報
3.近鉄百貨店 四日市店

四日市市の中心部にある近鉄百貨店には、地元の名産品コーナーがあり、手軽にかぶせ茶を購入できます。
さまざまなメーカーのかぶせ茶を取り扱っているので、比べてみるのも楽しいでしょう。お茶請けにぴったりの和菓子や、お茶関連グッズも充実しています。
近鉄百貨店は四日市駅に直結した施設のため、電車の待ち時間にもふらっと立ち寄れます。
近鉄百貨店の基本情報
4.萩村製茶「お茶の里きらら」

「お茶の里きらら」は、菰野町にあるお茶屋さんで、自家栽培・自家製造のかぶせ茶を販売しています。
抹茶の原料となる「てん茶」を主力に、さまざまな種類のお茶を生産しています。
- かぶせ茶
- モガ茶
- ギャバロン茶
- 和紅茶など

イオンタウン菰野内で運営されていて、店内で緑茶や抹茶を使ったデザートも楽しめます。
菰野のイオンタウンに、お茶の里きららってお店があって、抹茶やかぶせ茶、抹茶のソフトクリームや、フルーツがたくさん乗ったパフェがあり、どれも美味しいんですよ🍵
— Isshin (@DOGMA_F8_CAYO) April 7, 2020
お店の雰囲気も落ち着いてて、ゆっくり出来るし、茶葉や急須なども売っているので、見ていて楽しいです🤗
是非行ってみてください🐈 pic.twitter.com/a8exBzdOhP
お茶の里きららの基本情報
四日市で受け継がれるかぶせ茶の歴史

四日市市・水沢町のかぶせ茶は、平安時代に住職が冠山に茶の木を植えたのが始まりと伝えられています。
江戸時代末期には、宇治から茶の種子と茶師を招いたことで茶業が再興。明治時代には伊勢茶として海外にも輸出され、水沢のかぶせ茶も高く評価されるようになりました。
茶摘み前に覆いをかける「覆下栽培(おおいしたさいばい)」の製法が旨みを引き出す特徴。今では伊勢茶ブランドの一つとして、三重県の観光や体験イベントでも注目されています。
参考:四日市かぶせ茶の美味しい淹れ方

せっかくなら、ご自宅に帰ってからも美味しいかぶせ茶を味わいたいですよね。ここでは、家庭でも簡単にできる、美味しいかぶせ茶の淹れ方を紹介します。
具体的な方法は、以下のとおりです。
- 急須にお湯を入れ、湯冷ましする(上茶で約50℃、並茶で約60℃)
- 急須のお湯を人数分の茶碗に七分目(約20ml)ほど入れ、残ったお湯は捨てる
- 急須にお茶の葉を入れる(目安は3人分で約10g、大さじ軽く2杯分)
- 茶碗に入れたお湯を急須に戻し、お茶が出るまで約2分待つ
- お茶の濃さが均等になるよう回しつぎし、最後の一滴まで絞りきる
- 美味しく味わえる温度は約35℃〜40℃。2煎目からは、湯冷まししたお湯を入れて約30秒待つ
正しい淹れ方でお茶を味わえれば、毎日の生活の楽しみの一つになるでしょう。
四日市のかぶせ茶のよくある質問
かぶせ茶についてのよくある質問とその回答を以下にまとめました。
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かぶせ茶と伊勢茶の違いは?
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かぶせ茶は、茶葉を摘む前に黒い覆いをかけて育てることで、渋みが抑えられ、甘みと濃い緑色が引き立つお茶です。
一方、伊勢茶は三重県で生産されたお茶全体のブランド名で、煎茶やかぶせ茶など、さまざまなお茶が含まれます。
「伊勢」の名から伊勢地方限定と思われがちですが、水沢のかぶせ茶も伊勢茶の一つ。いなべ市や鈴鹿市、亀山市などでも栽培されています。
編集長 つまり、かぶせ茶=製法の名前、伊勢茶=三重県産のお茶の総称というのが主な違いです!
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自宅での保存方法は??
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かぶせ茶は光・空気・湿気を避けて保存するのがポイントです。
未開封のものはそのまま冷暗所へ。開封後は密閉容器やチャック付き袋に移し、直射日光の当たらない場所に置きましょう。
冷蔵庫でも保存できますが、出し入れ時の結露に注意が必要です。使う分だけ常温に戻してから開けてください。
編集長 開封後は2〜3週間を目安に飲み切ると、風味をしっかり楽しめます!
かぶせ茶と巡る!四日市水沢の観光名所

ご家族でかぶせ茶を堪能した後は、周辺の観光スポットにも足を運んでみましょう。家族みんなで楽しめる場所をご紹介します。
- 水沢もみじ谷
- 宮妻峡
それぞれ解説していきます。
1.水沢もみじ谷|水沢地区の絶景でリフレッシュ

水沢もみじ谷は、水沢地区にある自然豊かな渓谷です。
鈴鹿山麓の麓、標高250mに位置しており、江戸時代より歴代の菰野藩主が保護に努めてきた逸話から、市内随一の景勝地といわれています。
水沢地区の歴史や自然を満喫できる遊歩道が整備されており、ハイキングや散策におすすめのスポットです。
さらに例年11月下旬〜12月上旬には、色鮮やかな紅葉が楽しめます。
水沢もみじ谷の基本情報
2.宮妻峡|水沢で季節を感じる自然スポット

宮妻峡は鈴鹿国定公園内に位置し、三重・滋賀の県境を南北に走る鈴鹿山脈の峰に挟まれた絶景スポットです。
百人一首にも詠まれた紅葉の名所として知られ、11月下旬から12月上旬にかけてオレンジと赤の鮮やかな色彩で訪れる人々を魅了します。
ところどころに設置されたベンチでは、ゆったりと紅葉を眺める時間を過ごせます。
宮妻峡はキャンプにいくのに最高だと思います。ここには、ロッジもあって泊まることもできますし、とても楽しめます。 引用元:じゃらんnet |
年間を通して楽しめるスポットで、口コミにもあるようにキャンプ場などの施設も整備されています。
自然をより深く体験したい方にも最適な場所です。
宮妻峡の基本情報
四日市のかぶせ茶で癒しの休日を満喫しよう!

四日市市の主に水沢地区で生産されている「かぶせ茶」は、まろやかな甘みと豊かな香りが特徴で、お茶の苦みが苦手なお子さんにもおすすめです。
地元茶農家直営のカフェでは、こだわりのお茶とお菓子で、家族みんなでゆったりとした時間が過ごせます。
さらに、周辺には自然豊かな観光スポットや、大人も子どもも楽しめるアクティビティも充実。

四日市のかぶせ茶をきっかけに、思い出に残る休日を過ごしましょう!